監獄の誕生:監視と処罰読了
1週間かかって監獄の誕生、読み終わりました。
時間かかったー。
いや、でも他のことやってたから。こんなに時間がかかったということにしておこう。
M.フーコーはすごいね。
監獄という当たり前のように存在する概念を分解して
いろんなことを拾い取って行く。
また監獄のまわりに存在するキーをも分解する。
肝心の内容なんですが、am2:00~am5:00まで読んでいたのから
書けない(笑)
いつかまとめます。
この本の中で面白かったことと言えば、
フランス王制の時代から革命を経て権力、監視のベクトルが変わったということ。王制時代、王は自らの権力を誇るためにパレードをしたりして権力を誇示していただけでなく、自らが主権(王)として法律の頂点に立っていた。その法律に反する者は王の身体を傷つけたことと同じになり、その王の身体を回復するためには、法に刃向かった者を痛めつめけ、処刑していた、というもの。いや、、、なんていうか、すごい(深夜テンションの感想笑)。
あと、監獄の誕生の過程について。これもなかなか(、、、というかここがメイン)。革命後、ナポレオン政権やら7月王制やらを経て、今のフランスになって行く過程でも処罰のあり方についても随分議論され、変わってきた。その過程はフーコーの述べるところ、学校、病院、軍隊とも大いに関係している。
フーコー自体がフランス人でフランスの歴史について書かれていることがほとんどだったけれども、ここで特筆すべきは我々が普段生活していて、普段見るニュースやら、これまで育ってきた環境を振り返るとどこか納得してしまう点がやや多いというところ。例えば、最近NHKかな?刑期を終えた受刑者が外に出て再犯を繰り返してしまうというドキュメンタリー番組(確かクローズアップ現代)でやっていた。フーコーはこの現象を非行性・監獄・警察が相互に依存しあって、前科者を再び監獄に送り込むと言っている(この一言をいうだけでもフーコーはくどい説明をタラタラ説明しているの)。とか、学校教育は人間を規格化する装置であるとか(すごくざっくりいうと)とか。まとめを感想に束ねると、今この世の中がなぜこうなっているのか、少しスッキリした。
この手の本に慣れ親しんでいない私にとっては、かなり難しい内容であったけれども、読んでよかった一冊でした。
最後にこの本の中からかっこいいセリフを1つ。
「諸君がこうした観念の連鎖を、諸君の市民たちの頭の中に作り上げてしまえば、諸君は彼ら(市民)を操縦し支配者たりうるのだと自負してもよかろう。ばかな専制君主は奴隷たちを鉄の鎖でもって束縛するかもしれないが、しかし真の政治家は、それよりもはるかにしっかりと彼らを彼ら自身の抱く諸観念の連鎖でもって拘束する。この政治家はその連鎖の一方の端を理性という不動の平面に結びつけているのである。しかもその連鎖は、私どもにはその仕組みがわからないだけに、しかも私どもとしてはそれを私どもが作り上げた物と信じているだけに、ますますしっかりした鎖となっている。(中略)そしてもっとも確固たるて帝国の揺るぎない基盤は、柔らかな脳繊維の上に築かれる」(どうやらセルヴァンの言葉らしいけれども)。
以上!